睡眠
睡眠は時間ではなく、バランス良い睡眠、つまり質が重要です。眠る時、30分以内に寝付け、午前2時前位から3時の間は深い睡眠に入り、夜中に一度も起きることはなく、朝すっきり爽快に目覚めることができることが良い睡眠です(レム睡眠とノンレム睡眠のバランス)。簡単に言いましたが実はこれが難しいのです。
人は夜行性ではありません、夜(暗いとき)眠るようにできています。これは脳の松果体から分泌されるメラトニンの作用を考えると理解できます。そして体は睡眠中に回復し(ホルモンや副交感神経の働き)、記憶は睡眠中に整理されます。筋肉は夜寝ることにより弛緩され肩こりなどもとれてきます。ぐっすり眠ることによって体や脳もリセットされるのです。子供のころは1日眠れなくても次の日ぐっすり眠れれば元気になりました。しかし大人になると1日位では疲れがとれません。年をとるに従って4~5日続けてぐっすり寝ないと体調が回復しません。これは皆さん経験があると思います。
バランス良い睡眠をとるためには、アルコールも睡眠薬も正常な睡眠のバランスをくずします。しかし眠れないで体調を崩すよりは少しのアルコールや薬も必要です。わかっていると思いますが最も睡眠のバランスを崩す原因は精神的ストレスです。しかしぐっすり眠れていれば体は回復します。これもバランスですつまり眠れないほどのストレスかどうかです。
従ってバランス良い睡眠をとるためには11時過ぎには布団に入り、夜、トイレに起きてしまうほどの水分を控え、たくさんの夢を見ないで深い睡眠(ノンレム睡眠)に入るように、することが大切です。
栄養
前にも述べたように、現代ではこれを正しく取るのが非常に難しい時代です。なかでも特に大事な栄養素はミネラルバランスです。人間の体は原子レベルでみると、炭素、酸素、窒素、水素、それとミネラル(金属)でできています。たったこれだけで人間の体は作られているのです。炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミンの有機栄養素は、生体内で作ることも壊すこともできますが、ミネラルは作ることも壊すこともできません。土壌中や海水中に存在するものを、生物体を通して体に取り込む以外方法はありません。
つまり私たち人間は、植物、植物を食べる動物、海の中の生き物を通じて、自然の中から取り入れたミネラルを利用して生命活動を行っています。
栄養素の連鎖式によると、炭水化物(糖質)、脂質、タンパク質が体の中で働くためには酵素の力が必要です。酵素が力を発揮するにはビタミン、ミネラルが必要でビタミンが活性するにはミネラルが必要です。しかしこのように大事なミネラルも日本は火山灰地で、もともとミネラルの含有量が少ないうえ、雨が多いため、水に溶けてしまうミネラルは失われてしまいます。さらに現代は野菜のハウス栽培のように、季節を問わず、同じ土地に作物を連作し、有機肥料ではなく、化学肥料を使う栽培方法では作物に含まれるミネラルが非常に少なくなっています。昔の有機肥料の土壌中にはミミズなどの土壌生物や土壌微生物がたくさんいて土壌中の生態系が守られミネラルや栄養物質が豊富でした。(私は土壌中に玄武岩などの岩や、海から打ち上げられた海草などの粉末を蒔くと、土壌は生き返ると思っています。)
従って現代の野菜、例えばホウレンソウの赤身の部分は甘さがなくなり、人参が人参の味がしなくなってきています。このように「栄養のない食物」が増えてきています。
人体が必要とするミネラルの量は微量で重要なのはそのバランスです。現代では食物も昔のように自然の形のまま食べることが少なくなり、穀物を精製したり、加工したりする過程でミネラルが失われたり、添加物や調味料として余分なミネラルが加えられています。コンビニのおにぎりひとつとってもPH調整剤が加えられ、加工食品には必ず入っています。
ではどうしたらミネラルバランスを保って行けるのでしょうか?それには最適量のミネラルを常に体内に充足させておくことです。
ここでは東洋医学の身体を温める食物(陽性の食べ物)を見て下さい。実はこれらの食物の中にはミネラルがとても豊富に含まれています。古代中国の人々はミネラルを知らなくとも、陽性の食物を摂ることによって、代謝がよくなり体が温まることを知っていたと思われます。具体的には「医食同源とその応用」を参照して下さい。これらの食物を摂るのが難しいという方は身体を冷やす飲食物を控え、健康食品摂るのをお勧めします。健康食品ではアミノ酸とキーレイトされていて、多くの種類のミネラルを含む、かき肉エキスなどが良いと思います。
排泄
もともと東洋医学は「排泄の医学」といって治療するときに、排泄を重要視します。そして健康を維持していくために、これらの器官が正常に働き、老廃物を体の外へ正常に排出しなければならないと考えられていた。すなわち、便、尿、呼気、汗、女性の生理です。(細かく言えば、涙、鼻水、唾液腺など体の分泌腺すべて)
現代人は前に述べたように、冷え、水分の摂りすぎ、精神的ストレスの人が多いので、様々な病気や症状を起こしやすくなっています。現代では特に重要なのは便と汗です。そして冷え、?血(古くなった血液の滞りを言う)による生理異常が多くの人で見受けられます。便は本来、黄色から黄褐色で繊維質をたくさん含むほど良く、黒っぽかったり、コロコロしていては、腸内細菌叢が良くない証拠です。腸がきれいでなければ血液やリンパ液もきれいになりません(ミネラルの吸収にも影響する)。
そこで食物繊維を豊富に含む、身体を温める陽性の食物を摂る必要があります。冷やしていては腸の機能は良くなりません。そして腸管免疫を高めるとともに腸をきれいにし、体を洗浄することによって現代病が治ってゆきます。特に重要なことは、便や尿、が出ないと気にかかり、薬を使用しても排泄させようとします。しかし汗は不快で、邪魔者扱いにされ、出れば体をすぐに冷たいものや、冷房で冷やそうとします。汗は体の老廃物を熱エネルギーに変えて出す大きな排泄器官です。汗をかくのにもっとも良い方法は、筋肉を使う、つまり運動(有酸素運動)です。できなければ半身浴なども良いと思います。また現代人は体の具合が悪い時や風邪をひいたときなど、栄養をたくさん取らねばならないと思い、食欲もないのにたくさん食べようとします。食べなければ体力が出ないと勘違いしています。動物は体の体調が悪い時は、物を食べません。人間だけです「知能」で食べるのは、動物は本能の命ずるまま絶食をして、体温を上げ自然に治癒するのを待ちます。従って、良い便を毎日キチンと出すこと、汗をたくさん出すこと、体調が悪かったら2~3日の断食(断食をすると体温が上がる)をすることが良いと思います。
それでは最後に精神的ストレスにどのように対処するかを考えて見ます。それには感情を意識で現わすことが必要です。