精神的ストレスに対処するために
昔から「病は気から」と言われるように、大多数の症状は心(感情)が身体の機能に悪影響与えるために起こる、と考えている人は多い。その結果としていろいろな症状(病気)や大小の障害が生じるのである。患者さんに「ストレスはありますか?」と聞くと「あります」と答える人は、たいがい精神的な悩みや苦悩を訴えます。しかしもっと軽い日常のたとえささいな感情でも、無視したり抑圧したりすると、その影響は蓄積され、病気の原因になりうるのです。心のささやきは少なくとも最初のうちは害をもたらさないが、叫びや悲鳴になってくると必ず症状にでます。しかしその感情(怒り、悲しみ、苦悩、不安、恐れ)に気づくことだけでなく、その症状が感情によってもたらされたことに気づき、そしてその感情を意識化(言語化)することにより、症状は一段とよくなります。
では、なぜ心の叫びが症状となって表れるのでしょうか、それは心の安全装置のために潜在意識下に抑圧されている感情(本人にとっては考えたくない感情)が意識上に浮上してくると、心はこんな苦しいことや耐えがたいことを避けるために、症状に表わして注意をそらしている。そうすることによって他者からの感情移入(同情など)や心の安定感(つらい感情が考えられなくなるため)が得られる。つまり心は、つらい感情を身体(症状)に表わしてバランスを取ろうとしているのである。(心と体のバランス)