意識化するために症状から感情を探る
どんな基本感情をもっているのかを、逆に症状からその人の深層心理を探って、それを意識化するようにすることで病気が治ってゆきます。最初にも言いましたが「病は意識の反映」なのです。その感情に気づくことが病気治療のポイントです。また予防にもつながってきます。(つまり、自分の基本感情を認識し、その症状がその感情によってもたらされたことを認識すること)
心が、ささやきから叫び、悲鳴になる前に、気づいてバランスをとるように考えを変えましょう。
次の表は心理学の「感情に関する効果的な解釈のためのガイドライン」です。
基本感情には、「怒り、喜び、苦しさ、悲しみ、恐れ(不安)」の五つがあります。感情はこれらが入り混じっています。
整理すると「怒り、悲しみ、喜び」はその言葉の通りですが、「苦しさ」は期待通りに行かないことが続く時間で「不安、怒り、悲しさ」が続く時なのです。そして強さの違いで「不安と恐れ」があります。
東洋医学にも感情と臓腑の関係があります。陰陽五行説の中で、七情と言って「怒り、喜び、思い、悲しみ、憂い、恐れ、驚き」があります。
五行には「木、火、土、金、水」とありますが、東洋医学の臓器の機能に対する考え方は、現代医学の臓器とは、まるで違います。東洋医学では、肝は肝臓であると同時に肝という概念です。だから幾つもの他の臓器の作用もします。つまり、臓腑は単に解剖学上の呼び名ではなく、生理学的、病理学的な内容までも含んだものです。
これを現代医学的に言い換えると次の表のようになります。
上の二つの表を見ながら器官と感情の関係を見て下さい。臓器・器官に症状が出たばかりの時は基本感情に当てはまりますが、長く続くと感情が複雑に入り混じってきます。しかし最初に症状が出た時の感情は、かなり五行説の分類に当てはまります。従ってその臓器・器官の異常を感じたら、その感情に気づくだけでなく、その症状がその感情によってもたらされたことに気付けば症状は一段とよくなります。