心の傾向とストレス
身体は恒常性を維持しようと、全て、生体防御に働きます。心もバランスを取ろうと(自分を守ろうと)反応します。つまり精神的な反応と身体的な反応の両方が起きます。そして複雑な知能の働きにより、感情は巧みに姿を変えたり、目立たなくなってしまったりすることがあるため、それに気づかなかったり、いつわりの感情を表現するようになります。従って、基本感情を認識することによって、また、本来の自分の基本感情のパターンを知ることによって、対処の仕方がわかってきます。
ここでは、一般的な症状を取り上げ、心の奥(深層心理)ではどのような感情があるか考察したいと思います。次の事は一つ一つの症状から見た感情と行動パターンです。
- 赤い顔(顔があかくなる、顔の湿疹など)
- 足の冷え(夏でも足が冷える人です)・冷え性
- 鼻の奥や喉もとから胸のあたりの症状(後鼻漏、喉の異常感)
- 目の症状や目の周りの痙攣
- 鼻水(突然出る水のような一滴)
- 突然の下痢。下剤性大腸症候群?(カリウムの欠乏)
- 便秘(慢性の)
- 痔
- 筋肉、腱などの痛み(腰痛、ぎっくり腰なども含む)
- 胃の痛み
- 皮膚病
- Ⅰ型アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息)
- 関節炎(骨の疾患)(ヘパーデン結節なども)
- 体にできる石(腎結石、尿路結石、胆管結石など)
- 頭痛・片頭痛
- 耳鳴り
- 難聴
- ガン
- 吐き気
- 風邪・のどの痛み
- 円形性脱毛症
- ヘルペス
- 虫垂炎
- 味覚・臭覚障害
女性の体と心
症状と行動パターン
症状と深層心理
1. 赤い顔(顔があかくなる)
よくわかりやすい例で赤面があります。例えば赤面の場合:心が何かを欲求>体にメッセージが送られる>それを得るための準備(必要なら戦う)>血管はわずかに収縮>筋肉に血液を送る>fight and flight反応(ストレスにあったときの反応で、戦うか、逃げるかの反応)この反応により、筋肉が緊張したり、アドレナリンが急激に増加>その時何らかの理由で、自分の欲求にいい顔をしない人たちがいるかもしれないことに気がつく(実在する人であっても、そうした人を想像しているだけでも)>自分の欲求と他人の意見との間で板挟みになりそうだと感じると、心は身体にストップの指令を送る>自分の欲求が妨げられると、追い詰められたと感じる>そうなると身体はfight and flightの欲求を果たせず降伏する>筋肉は弛緩し、毛細血管は拡張し、血液が皮膚表面近くまで運ばれて、肌が色づく(困惑することで他人の意見に降伏する)。
赤面ではないが、ずっと顔が赤い人がいます。こういう人は今言ったように、自分の欲求と他人の意見との間で板挟みになりそうだと、常に感じています。人に賛同してもらいたい、自分の話を受け入れてもらいたい(共感してもらいたい)、ということが強い人です(何かを求めています)。しかし相手を傷つけて、拒絶されたり、はずかしい思いをしたりすることを恐れています(だれからもいい人だと思われたい)。
基本的には、悲しみ、さびしい、そのため依存しているのです。じょうずなウソをつけないため、板挟みになるということです。(例えば、ステロイドの処方でステロイド離脱性皮膚炎になってしまった人、このような人も最初は顔の赤み(湿疹?)で病院にいったり、いろいろな薬を塗ってしまった人が多いのです)
対処療法
素直になって、さみしいことや自分の不安、共感してもらいたい、慰めてもらいたい、などを口に出して話してしまう(言葉の上での降伏)。素直さが必要。不安を持続させないようにする、そのためにはドクターショッピング(あちこちの病院や医院に行くこと)を繰り返さない。共感を覚えられれば不安はなくなります。
◎皮膚病を治す極端な例:11の皮膚病参照
2. 足の冷え
慢性の冷え症とはちょっと違います、夏でも足が冷える人です。
私は東洋医学の気逆でとらえています。
恐れ、尻ごみ。何かを望んでいるが、その何かを怖がっています。(不安感)
対処療法
自分で望んではいるが、自分にはふさわしくない、自分には無理だと思っている事を見極める。そしてそれについて考え、言葉にして話すようにする。
東洋医学的には心と腎のバランスが悪い。夏の冷やし過ぎに注意。朝起きた時、わきの下より冷たいと感じる場所が一か所でもあれば冷えている。汗っかきで暑がりは体内の熱のバランスが悪い。(内蔵が冷えている、)
参考:更年期は腎虚が急に起こり、気逆を引き起こします。
現代医学的に説明すると、冷え性とは:人間の体は寒いと感じると、体の表面の毛細血管を収縮させて、体温が外へ逃げないようにします。そして、ある程度の時間で血液を送りこみ、体表の温度が下がり過ぎないようコントロールしています。ところが、そのコントロールができず、いつまでも血管が収縮しているために、冷たくなってしまいます。又は冷たいと感じます。つまり、自律神経の調節障害です。
体温調整は自律神経で行われています、過度に交感神経が常に緊張しているのです。
3. 鼻の奥や喉もとから胸のあたりの症状
私は東洋医学の気滞で考えています。
<気滞症状>:鼻の裏側から咽もと(食道)、胸などの症状で神経質な人に多い。
具体的には精神的な症状なので、人によって訴え方、感じ方が様々です。
- のどが詰まる感じ。
- のどがコチョコチョする。
- のどがヒリヒリする。
- のどが熱感をもってヒリヒリする。
- のどがイガイガする。
- 何かひっかかっている感じ。
- 痰がからんで出ない。
- 鼻汁がのどにまわる。
- 鼻の奥に何かがくっついている感じ。
- 鼻汁が鼻と喉の間に膜がはるようにくっついている。
- 息がつまる感じ。
- 空気が足りない感じ。
- 服が胸にへばりついている感じ。
- 胸の圧迫感。
- 胸がチクチクする。
- 息が早くなる。
- 息切れ、息苦しさ(息が吸えない)。
- 咳払い、くせになったような軽い咳。
- あくび、しゃっくり。
- 声が出ない。
- 口のまわり、くちびるのしびれ。などたくさんあります。
対処療法
- 気滞の症状は、不安(ストレス)から起きていることを自覚するのが最も重要です。つまり、精神的なことで今の症状が起きていることを認識することがまず必要です。そうしないと、ドクターショッピング(あちこちの病院や医院に行くこと)を繰り返し、ますます不安になります。そして何か体を動かしている時や、何かに夢中になっているときは症状がなく、ボーッとしている時や、テレビ、新聞、などを見ている時に起こることを、自覚してもらいます。「どうして私は、不安なのだろう」と自問することが最も重要だが、無理なときは、ウキウキワクワク(楽しみ)することをできるだけ作り、体を動かす雑用をとにかくする。(雑用の効用)
- 現代医学の食道神経症や気鬱も含まれます。このような事がわかるドクターは心療内科でない限りまず、あまりいません。りっぱな病名をもらって薬(去痰剤、気管支拡張剤が多い)を飲んでいます。抗不安薬ならまだいいのですが・・・・。
4. 目の症状や目の周りの痙攣
怒り、イライラ
まじかに迫った状況に対して不安、緊張し、それに対して無力だと感じ(どうしていいか分からない)、イライラ(拒否感、不信感、自責など)している。あまりイライラすると、症状が目に出ます、筋肉にもでます、そして目のまわりがピクピクするのです。なかには目がショボショボする、瞼が重いという人もいます。また、かなり強いイライラは目の充血や麦粒腫、感染による結膜炎なども起こします。(安保理論:交感神経の緊張のため、白血球の顆粒球が増加し、常在菌を攻撃し、炎症へと進む)
対処療法
自分は何の何に不安を感じているか(何について、どうしようもないためイライラしているか)を、突き止め、それに対して開き直る。(できないからなるので、開き直るしかないと思います。)
5. 鼻水
突然出る水のような一滴
悲しみや失望、落胆
対処療法
自分をなぐさめる。自分にごほうびをあげる。少しくらい泣いてもいいのだと思うこと。
6. 突然の下痢
言いたいことを言わずに黙っている時。ひそかに怒りをため込んできた人に多く、誰にも話すことができない、寂しさ、悲しみがある。
下剤性大腸症候群?(カリウムの欠乏)。
対処療法
この場合は腸が冷えている人が、精神的ストレスで、喉元をスッキリさせたい為(気滞)つめたい飲み物を摂りすぎたことの原因が多いと思います。
7. 便秘(慢性の)
攻撃的な人、うるさい人、不愉快な人、気むずかしい人(旦那さんが多い)など、こういった人の前や、そうした雰囲気の中で、自分の意見を言わないようにしつけられているか、いえない人(おとなしい性格)。自分の感情をしまいこんでしまう。言い換えれば、人を不愉快にさせるのが怖くて、自分の意見を言えない人。孤独感があるように見えます。
対処療法
自分の意見を、ためこんでいないで勇気を出して、同意してもらいそうにない時や、相手の機嫌を損ねそうだと思うときでも、考えや意見を進んで話すようにする。
8. 痔
緊張と不安。よく長時間座って車の運転をしている、運転手に多いと言われます。お尻を圧迫しているよりは、むしろ緊張の方が大きいです。 普通肛門は、便を直腸にとどめておける程度緊張していて、血液が肛門の周りを循環できる程度弛緩しています。従って長時間の緊張でなるのだと思います。車を運転する人だけでなく、緊張が持続している人です。
対処療法
とにかくリラックスすることです。「お尻に緊張するなという」。
9. 筋肉、腱などの痛み
これは確実に、期待していたものがそうならなかった時つまり怒りである。
ニューヨーク大学、ジョン・E・サーノ博士は、TMS症候群(緊張性筋炎症候群)であると言っています。これは筋肉や神経、腱に軽い酸欠状態が起きて生じる痛みで、無意識下の怒り(感情)の転換反応であって、体は痛みを発生させて、抑圧された怒りから、注意をそらしているのだと言っています。無意識の心は、明らかに怒りを恐れていて、それに応じて反応していると言っています。また、福島県立医科大学整形外科教授、菊池臣一「腰痛をめぐる常識の嘘」と言う専門書に、痛みとXX線写真(画像診断)での所見は違うと言っています(医師との信頼関係が重要であるとも言っています)。
腰痛、坐骨神経痛の90%は3ヶ月以内に軽快するが、本当に問題となるのは、全体の一割と考えてよい。原因がわからないから、腰痛症という病名があるのです。
心は本当は休んだり、息抜きしたり、周りの人から関心や、愛情、心遣いをしてもらいたいと思っているが、できないし、誰かに打ち明けることもない、だから痛みを発生させています。
対処療法
実際の腰痛、ぎっくり腰の対処例 つまり「怒りの感情」のストレスです。
痛みを場所で細かくわけると次のようになると思います。基本的には期待したものがそうならなかった時(怒りの感情)
- 肩の痛み・五十肩などは強く何かを望み、それがかなえられないと思っている。または、それがふさわしくないから、自分に言い聞かせようとしている。
- 首の痛みはある特定の状況下で嫌だと感じている。いらだちや、不快感、憤り。
- 腰痛は背負っている荷が重過ぎる。責任という、こころの重荷。
- 背中の痛みは裏切り、がっかり、ショック。
10. 胃の痛み
期待通りにいかないことが続く時、胃は感情に対して見事に反応します。特に多いのは相剋の関係で、東洋医学の「木剋土」と言ってイライラした時や、くよくよ思い悩んでいたりした時が多い。特に自分が他の人から拒絶されたり(~を話す(行動する)といつも怒る、だからまた怒ると思ったなど)、失望したり、何らかの理由で、好感を持っている人から受け入れられなくなってしまう事に不安が続いている。(心の飢え、渇望なのかもしれません?)
11. 皮膚病
何かの本に書いてあったと思うが、「目が自我の窓なら、皮膚は、精神のキャンバスだ。」と言うように、皮膚は心に思っていることや、感情を映し出します。心は早く気付いてほしいと思い、最もわかりやすい皮膚に症状を現すのかもしれません。自分の感情とその患部との間にどんなつながりがあるか考え、正しいつながりを見つけ、感情を何か他の方法で表すことができれば、皮膚はそれを表さなくて良くなるはずである。
基本的感情は悲しさですが、重症化して赤みがひどく炎症を持っている場合は、肌や肉の炎症なので、苦しみになります。従って重症化の場合は、喜び以外、全ての感情が入り乱れています。しかし最初になった感情は、期待したものを失った時や、失いそうな時のあきらめの感情です。依存心が強く、「皮膚さえ治れば、何でもできるのに」、などと言います。別の症状が発症するといつの間にか皮膚病は治ってしまいます。(本当は皮膚病より重症な疾患なのでこまるのですが)。
対処療法
早く開き直って、心機一転して立ち直るのが良いのですが、なかなか難しいので小さいことでもいいから、目的を作ってウキウキワクワクすること(楽しみ)や、やりたい仕事に打ち込むのが良いと思います。(皮膚のことを考えなくて済むような・・・・)
◎私はよく言うのですが「例えば、そこの階段で転んで足の骨を折れば治りますよ」と、それはなぜか、足の骨を折ると痛いため、意識が全部そこに行く、そして骨折は時間がくれば治るとわかっているからです。そして、周りの人からの同情(共感)も得られるからだと思います。掌蹠膿疱症、尋常性乾癬なども同じ様に考えます。
12. Ⅰ型アレルギー疾患
アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息とそれ以外の肺疾患。
このような子供は薬局に来ても落ち着きがなく、大人になっても母親と一緒に来たり、しかたがなく連れてこさせられる人が多いと思います。もっと不思議なことは、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎を持っている人で、同時に二つ以上発病している人はいません(これがキーポイントです)。鼻炎を治療していたのですが治ったと思ったら、こんどは喘息が~ つまり治ってはいないのです。喘息に変わっただけです。
悲しみ、さびしい、孤独感、愛されていない、または愛されていてもそれ以上に愛されたい思いです。愛情や称賛や好意を受けたいと思う、人並み以上の渇望です。
このため母親への依存心の抑圧が多く、また、母親も心配のため子供に依存し、共依存となります。
肺疾患は、愛情や好意に飢えています。男に多く、自分が求めていることを自分で否定してしまって、「男らしさ」「自信ありげに」にふるまうなどを、自分を作ってしまうなどの、衝動強迫を持っています。
自分が成長過程で、ちやほやされすぎたり、逆にかまってもらえなかったりしたことが、発症させてしまうかもしれない。結局、さみしさだと思います。
対処療法
他の人から、気配りや心遣い、愛情を受けているという確信があるか考えてみる。それを当然だとは思ってはだめで、なぜかというと、受けて当然だと思っている以上、多くのものをほしがっているからである。一言でいえば、それを認めることです。自分のわがままを認める事だと思います。(子供の場合は認めさせることが難しいので、ちょっとした症状でも意識を疾患の方に向けさせないで、適度にほったらかしにする方が良いと思います。)
大人は感情の原因を探る。子供は家族療法:親に依存心の抑圧を理解させる。
喘息の場合「喘息患者」と言う役割から抜け出させる(私は喘息だからと思っていること)。喘息患者の生活は規制される(特別扱いされる)。そうするとますます不安やパニックになるので、それを自らがさけていくようにすると良いと思います。
13. 関節炎(骨の疾患)
ヘパーデン結節、リウマチなど。
不安や恐れ、過剰適応(振れ回され症候群)の人に多い。また女性の年配の人に多い。どんなことを望んでも、「それをしてはいけません」と叱られるのが明らかな環境に育った人。「私はどちらでもいいよ」とよく言う人。
過剰適応の人は、他者に自分を合わせることが多いので、心は訴えているのかもしれない。あるいは、心は痛みを作り、言い訳できるようにしているかもしれない。
いつも陽気でいようとしている、がんばり屋で、とにかく笑って明るくしようと、つまり、うまく行くために、自分さえ我慢すればいいのだと思っている。
だから女性に多いのかもしれない。相手は旦那さん(男)。
また、痛みは同時に筋肉や腱にも出るため、怒りの感情があります。怒りをうまく表現できないのかもしれない。
例えば運動をやっていた人が、何らかの理由で出来なくなった時、自分の攻撃性を今までのやり方で、発散させることが出来なくなった時などにおこる。
対処療法
自分の願望に素直になり、人への気遣いを減らし、気に入らなければ不平不満を言うようにする。それができなければ、信じられる人に「ぐち」をとことん言う。自分に「ごほうび」と言って旅行や、贅沢品を買うのもいいかもしれない。このような人たちは「病院なら正々堂々と行ける」と思っているのかもしれない。
14. 体にできる石
- 腎結石(尿路結石):
強い緊張や不安(恐れ)状態に現れやすい。つまり、あまり強いストレスのため、寝ている間もリラックスできない。
その他に、唾液腺、前立腺、涙腺、などの石もある。 - 胆のう、胆管結石:
怒り、イライラ感、不満、焦り。
緊張がある期間持続すると、その人の感情の状態や遺伝的形質、食生活などの要因に応じて、いろいろな器官に痙攣が起きる。すると身体の分泌線、袋、管の液体が、正常に流れなくなり、液体の停滞や貯留が起こる。液体が流れている時は普通、石はできないが停滞すると、小さな円柱のような石ができる。
対処療法
自分の体からの緊張、イライラ感、を解き放つために、積極的に不平を言う方法(言い方など)を、身につける。さらに心の底から本音を言える人を作る。そうすれば交感神経がある程度リラックスするはずである。
15. 頭痛・片頭痛
脳血液循環量の急激な増加、あるいは減少で、血管が拡張したり収縮したりするいずれかの原因で起る。
ある環境やある人のせいで、不快な思いをしているが、(気を使い過ぎ・何か言われたらどうしよう・心配・不安など)本人がその感情に気づいてない。何らかの理由で、不快な感情を認識できなかったり、認識したくなかったりしているのかもしれない。本人は我慢しているのではなく、そう思うこと(不快に思う事)が、人間として性格上の欠点だと思っているため、無意識的に感情から締め出してしまっている。
対処療法
意識できる事だけでもいいから、感じていることだけでもいいから、不平不満を言う。それができないようならウキウキワクワク(刺激や楽しみ)をたくさん作る。
16. 耳鳴り
不安、恐れに対して、期待通りにいく見通しが中々つかないでいるため(または、ずっと考え続けているため)、心はどうしようもなく、耳鳴りを起こし、意識をそこに向けさせているかもしれない。周りの人からの聞きたくない話をずっと聞かされているのかもしれない。人の話をあまり聞かなく、神経質で人にはっきりと意見を言えない人に多い。「耳鳴りは、治すよりなれろ」というように、何とか治そうと、思っているうちは中々治らない。そして、ドクターショッピング(あちこちの病院や医院に行くこと)を繰り返す(不安の悪循環)。他の症状(痛い、痒い、重症な疾患)を発症すると、いつのまにか気にならなくなっている人が多い。
対処療法
開き直って(これが重要)、好きなこと(趣味や仕事)に打ち込む、または、没頭する。そうすれば必ず治ります。
17. 難聴
自己否定される恐怖。聞きたくない、~だと思われるのがいやだ、~だと言われるのがいやだなど。何かと頑張るタイプで手抜きができない。食事を始め、仕事など何から何まで気を使い、そしてそれを頑張ってしまう人。「私はそうすれば何でもやってこられた」、などと思っている。それが積み重なると発症してしまう。根底には自分は常に正しいと思っているのかもしれない。突発性難聴は、かなり強いストレスが原因です。
18. ガン
ガンはできた場所によって考えます。肝臓癌(肝胆系、怒り)胃癌(脾胃系、思い)肺癌・大腸癌(肺大腸系、悲しみ、寂しい)などです。大腸癌の人は肺に転移が多い気がします。一つ一つ取り上げて説明しませんが、私の経験によると次のように思います。
対処療法
- ガンも生活習慣病です。一緒にライフスタイルを整える人がそばにいて(夫婦や親しい人)、本人はプラス思考を持ち楽天的で、生きがいを持っている人は治ります。本人だけでは中々難しいのです、不安を与える情報(病院)がたくさんあります。まず、意識を変え、希望を持ち、食生活を変えるのです。つまり生き方を変えれば治ります。
- 私は、ガンを克服するには、第一に「心」、すなわち生きがいあって、その次に意識(プラス思考)、食事(ミネラル、発酵食品)があって、その上にいろいろな療法がある(代替医学、東洋医学、西洋医学)。と思っています。
- 生活も困らなく、恥ずかしくない地位にもついた、これから老後を夫婦でどう送ろうか、年に何回か海外旅行しよう、ゆとりを持って遊べるうちに遊ぼうなどと、仕事以外に人生目標を、すり替えてしまうときが危険です。
- 「後のことは息子に任せたから、気楽に過ごすだけ」と言う気持ちになってしまうと、その時から心は病んできます。新しい人生目標を作り、それに向かうことです。
- 生きがいは、遊びからは生れてきません。遊びは、したくなければしません、人の役に立ち、社会の役に立つこと。(適度な仕事、ボランティアなど)
- 私の経験ですが、こういった話は、本人と娘、息子さんに話します。本人が来られなかったら、娘さんにきてもらい、息子さんだけではだめなので、その時は本人も来てもらって、話を聞いてもらいます。奥さんや旦那さん(夫婦)は中々難しいと思います。なかなか意識を変えてもらえないのです。娘さんが最も良いと思います。
<参考>
患者さんに考え方を変えてもらうときに、ドクターとの「はざま」に挟まれ、どうしたらいいか解らなくなってしまいます。ガンかどうか、手術をした方が良いかどうか、手術前、手術後、放射線療法、化学療法、転移、など。その時により対処の仕方が全部違います。ただ言えることは、化学療法や放射線療法の患者は、これに耐えれば治るのだと思い、我慢する。医師はこうした方が良いという。放射線科の医師、外科の医師、化学療法の医師、医師によって全部違う。私が思うに、とにかく我慢しないこと。体力があってこそ免疫力が働くのだから、食欲がなくなったら、疲れたら、苦しくなったら直ぐに止めること。我慢すれば良いなんて思ったら、とんでもないことです。
19. 吐き気
東洋医学の気逆。飲み込めない感情があるのかもしれない。(自我が強い)
20. 風邪・のどの痛み
甘えたい、愛されたい、かまってもらいたい、慰めてもらいたい。悲しかったり、叱られたり、冷たくされたり、がっかりしたり、寂しい思いをした為である。
対処療法
喉がよく痛くなる人は、自分の中にある悲しい気持ちを見つけ、なぜ悲しかったり、不快だったりするかを突き止め、それを認めて、自分をいたわれば良い。
21. 円形脱毛症
毛穴の周りの平滑筋を痙攣させ、毛を絞め殺しているのかもしれない。頭をかきむしりたい感情がいつもあるのかもしれない。不安、恐怖、フラストレーション、心の葛藤。
22. ヘルペス
非常にストレス敏感。
堀田医院院長、堀田忠弘:カンジダは恐れ。サイトメガウイルスはいらだち。クラミジアはエゴ。ヘルペスウイルスは心配・不安。血液循環は欠点指摘、批判、非難、頑固。免疫が低下するのは全部、つまりエゴ、いらだち、心配・不安、恐れ、欠点指摘、批判、非難、頑固であると言っています。
23. 虫垂炎
とにかく強い不安、恐れ、悲しみ、孤独、苦悩
24. 味覚・嗅覚障害
身体のために、栄養を取らなければいけない、または食べなければ力が出ない、と思っている人。または、ついついストレスにより食べてしまう人。このような人が健康のため、あるいは美容のため太りたくはないと思っているのか、または、食べることに罪悪感を持っている。食べながら必要以上にやせたい(健康になりたい)と思っているのかもしれない。
栄養学的には、亜鉛不足で原因は薬剤性が多い。
女性の体と心
1. 乳房のしこり
自分または、パートナーの男性のどちらかが、乳房を性的な対象から外してしまった場合です。
- 自分から性的な対象を外している場合:
これは男性と同じような忙しい仕事、男性と同じ意識の仕事、男勝りの仕事などです。 - パートナーの男性の場合:
パートナーとの不仲(家庭内のトラブル)です。
アメリカでは女性刑務所に多いそうです。性的な対象を外し、心配、不安が続いているからかもしれない。
2. 強い生理中
強い不安。「あなたは女性だから~」と言われてきた人。不満や不快感を女性だから表に出すのを慎まなければならないと、思っている人。または、(生理があるため)「女性であるからとか」、「男に負けまいと」男より劣っているという、レッテル貼られたくないと思っているのかもしれない。男の兄弟が多い女性に多いかもしれません?
子宮内膜症
自分が女性であるということを、快く思っていない。男性の方が得をしていると思っている。(内膜症があるからではなく、それ以外に多くのことで)。
対処療法
「女性だから何々だと言う」不満を無視しないで、他の女性と話すようにする。
女性の優れていることを、認識し男性より女性でよかったと思えればいいと思う。
3. 膣炎
セックスに不満を持っている(楽しめない、苦痛)。過去に膣炎にかかった時の記憶の悪循環。
パートナーに対して、良い関係を持続させようとして、不満を意識から閉め出している事の不安かもしれない。
対処療法
本当はどう思っているのか、自分を見つめなおす。
4. 不妊症
心の底では子供を欲しがっていない。または、子供を産むことや育てることに不安がある、または子供のいない今の生活が、幸せに感じている。
幼年期のころ、母親に自分を産むとき大変だったことや、育てるのに苦労したことを、話しきかされ続けられた事が原因かもしれない。長女に多い?
5. 月経過多
感情を外に表すことのできない女性。
生理の時期は、ホルモン活動が活発になり、感情や環境に敏感になる時期であるので、感情を外に表すことのできない状態や、表すことのできない人はなるのかも知れない。(子宮が泣いている?)
6. 膀胱炎の症状
女性に多く、年齢によって原因は違うと思うが、環境では間違いなく、冷えと排尿をがまんしている場合に起こりやすい。しかし、心理学的に膀胱の緊張と考えると、慢性膀胱炎の人や無菌性膀胱炎などは、日常生活の中で関わっている人たちへの、口にできない不安に対する憤りかもしれない。
症状と行動パターン(固定的な性格ではない)
1. 生活習慣病
糖尿病、高血圧や脂質異常症、いわゆる生活習慣病は、生活習慣を変えれば良いのだが、変えられないから治らない。どんな方法でもいいから意識を変え、運動(汗を出す)、食生活を見直すことによって、コントロール出来るようになる。ただ病院に行ってせっせと薬をたくさん飲んでいる人は、長生きしない。こういった人たちは、なかなか意識を変えられない、わかっていても長続きしない。そしてあまり人の話をきかないし、信じない。何か特効薬をさがす。
タイプA行動パターン(下記)に多い痛風は、典型的にこのタイプ(特に多忙な生活、競走心)で、いわゆる頑固な人に多い。
生活習慣病の人は心と身体は(特に感情)いつもずっと、打ち上げロケットの中にいるように機能している。
対処療法
- ストレスから病気が起ることだけでも理解できれば良いと思う。身体は必要としているから、コレステロールや血圧、血糖を上げていることを、理解してもらうようにすると良い。そうすれば少しずつストレスのかからない方向や、発散させる方向に生活習慣を変えることができると思います。大事なことはいかに「ストレスを楽しむ」かということです(心の持ち方)。
- 自分に話しかけたり、人に話したりして自分はいつも何に不安なのか、何についていらついているのか、原因を見つけそして人に話す。ただ話すだけでも良い。
- インシュリン依存性糖尿病は(家庭内の)長い悲しみ、強制(~させられる)。
- 比較的基本感情の怒りの方が、不安、恐れより生活習慣病になりやすいと思います。
2. いわゆる自己免疫疾患
意外と内気でおとなしく、依存しやすく、まじめで、怒りを抑圧し、従順で、自分を犠牲にし、安請けあいをし、他人からの批判に敏感で、人づきあいが意外と苦手で、極端に活動的で忙しく、がんこで、冷たいところもあり、支配欲の強い人に多いのかもしれない。
3. タイプA行動パターン
(フリードマンとローゼンマン 心臓病学者1959)
冠状動脈疾患、循環器系疾患タイプ
いつも期限に追われ、体中をストレスホルモンでかき回しながら強迫観念に駆られてひたすら突き進むタイプ(せっかち)
- 目標達成の強く持続的な動機
- 競争心を好み熱中する傾向
- 永続的な功名心
- 時間切迫を覚えながらも積極的に関与しようとする傾向
- 著しい過敏性
- 敵意性や攻撃性の強さ
- 大きな声で早口にしゃべるなどの特徴が認められる
4. タイプB行動パターン
タイプAと反対でゆったりしていて寛大で、よりバランスがとれている。
5. タイプC行動パターン
(テモショックとドレイア 1997)
ガン性格タイプ(免疫機能が低下しやすい)
- 怒りを表出しない
- 不安や恐れ、悲しみなどの陰性感情も表出しない
- 仕事や人間関係において控え目で忍耐強い
- 自己犠牲的な問題解決を選ぶことが多い
わかりやすくすると
- 大切な人間関係や、人、もの、人生における立場や地位などを喪失した体験がある。○性格は融通がきかず従順で、自分に対しては極端にきびしい。
- 両親に対して疎外感や感情的なわだかまりを持っている。
- 感情をうまく表現できず、怒りなどの激しい感情をがまんしたり、抑圧したりしてしまう傾向がある。
- 人生上の転機にうまく対応ができず、ストレスに直面すると絶望感や無力感を抱いてしまう。
- 医学的治療が必要なほど重症ではないが、心理検査では平均をかなり超えるほどの抑うつ状態にある。
とこのように言われています。しかし実際、心と体の込み合った関係は簡単には解き明かされていません。それは、まとめにも書いてあるように「心」は定義できないからです。
6. タイプA行動パターンその後
その後の対照試験の結果この広く認められた分類は、それほど実際にあてあまるものではないことがわかりました。ほとんどの人がタイプAとタイプBを持ち合わせ、ストレスの許容量も千差万別で、ストレスがあったほうが、体調が良い人さえいることが明らかになりました。そして1988年のアメリカの調査で、いざ冠動脈疾患になると、成功へと突き進む性格の方が生存率が高いことがわかりました。またそれ以外にもコレステロールと性格の関係でフリードマンとローゼンマンが、人は多忙な時に血清コレステロールが上昇する、と報告したことで、いろいろな調査が行われ、試験直前の学生などに用いて試験された結果、やはりストレスが加わると血清コレステロールが上昇されることが示されました。そこでデビッド・ジェンキンスらはストレスの多い職業や、ストレスを受けやすい性格の人は、いつも刺激を強く感じているため、やはりコレステロールが高いのではないかと検討した結果、意外にもどちらのグループもコレステロールの高い人は責任感があり、自制心をもち、社会との適応性が良いということがわかりました。これに触発され、さらに調査された結果、犯罪者や攻撃的な子供の方が、コレステロールが低かったのです。そして恐るべき事実は、薬によってコレステロールを下げると、心筋梗塞による死亡率は減少しましたが、死亡者総数は変わらず、自殺、殺人、事故死が増えていました。動物実験でコレステロールの量を増加させると、血中からのセロトニンの取り込みが増すという報告や、最近のコレステロールを低下させると攻撃的になるという動物実験の研究から、私は、コレステロールがセロトニン神経の活性に関係しているとすれば、人間の性格は、ほんのちょっとしたことの影響を受けて変化するということ。そして、心身は環境と適応するためにコレステロールを増やしていると思います。そして強烈なストレス、恐怖や怒りなどでは血中コレステロールの消耗が激しいのでは、ないかと思います(コレステロール以外の何かは、増えているのかもしれませんが)。生体防御から考えれば必要だから増えているのです。体内の血中コレステロールの24~30%は腸で吸収され、残りの70%余りは肝臓で合成されます。従って、現在はコレステロールが基準値をちょっと越えるとすぐ薬が処方されます。私はコレステロールだけ高い患者に、スタチン系の薬は必要ないと思っています。
最近の研究(タイプA行動パターン)
2008年7月1日発行の国際疫学会誌にこれまでの欧米の常識を覆すような日本人男性特有の報告がなされた。それによると、タイプAは目標達成欲求、競争心、野心、敵意、時間切迫感、加速度的思考、などを特徴とする人は、交感神経系の緊張亢進が強く起るため、冠状動脈疾患、特に心筋梗塞になりやすいとされてきたが、40~69歳の日本人男女86000人を対象とし、平均11.5年間追跡した結果、男性では非タイプA性格(のんびり、温和タイプ)がタイプA性格(せっかち、怒りっぽいタイプ)に比べて心筋梗塞になるリスクが1.3倍も高くなることが判明した。ただし女性はこの限りではなかった。この理由として、日本人男性では怒りを表に出さないことが美徳とされ、その結果、多くの男性がはっきりと感情表現しないことが多く、自分を「のんびり、温和」ととらえている男性のなかに、感情を押し殺し続け、ストレスをため込んでいる人が多いのではないかと考察していた。
私は、この自分を「のんびり、温和」と考えている人たちは、むしろ自分の本当の性格が自覚できなく、ストレスをため込んでいるのさえ気づかないのではないかと思います。「心が広い、温和」を美徳とし、「臭いものには蓋を」「長いものには巻かれよ」という国民性(いわゆる良い人で有りたい)がストレスがあるのを隠してしまい、自覚できないのだと思います。「せっかち、怒りっぽい」と思っている人は、ストレスを自覚しているため何らかの方法で発散していたので、非タイプAに比べて心筋梗塞が少なかったのだと思います。ストレスがない人はいません、自分のストレスを常に認識することです。
7. タイプC行動パターンその後
タイプC行動パターンの心理療法的介入を行い、疾患を遅らせたり、治癒をもたらすと仮定して検証を行っているが、今までのところ、心理的リスクファクターの絞り込みは十分でない。
アユルベーダでは、ガンに苦しむ人は、当然のことながら周期的に感情の変化を繰り返します。それよりは、病気に人生(体と生活)を支配されないようにします。むしろガンを大きな脅威とは受け止めず、インフルエンザにかかったことと同じように対応できれば、回復の可能性が最も大きくなるといいます。しかし一度抱いた感情が、悪循環繰り返し、恐怖が免疫システムを壊してしまいます。たとえ癌細胞を打ち負かしたとしても、記憶が問題になります。(再発の不安など)そのために、瞑想をはじめ、その他の治療法があります。
ただ言えることは、強い肯定的態度や意識の方が、長生きすることは事実です。