動的平衡
生命というものは、絶え間なく動きながら更新されています。一瞬たりとも立ち止まらず、「川の流れ」のように流れています。自らを壊し、生まれ変わり、作り変えています。命ある生き物は常に環境に適応しながら生きているのです。
例えば、精巧なロボットを作れたとします。しかし、このロボットは自らパーツを交換する能力がないと、いずれ時間がくれば消耗し動かなくなってしまいます。(エントロピーの増大)しかし人間はそのパーツが絶え間なく入れ替わって生命を作りだし、体をその環境に適した状態に持っていこうとします(恒常性の維持)。つまり動的平衡に持っていこうと体が反応します。
例えば、暑いと感じれば汗が出て、寒いと感じれば皮膚の血管は収縮し熱を逃がさないようにします。風邪をひけば体は回復しようと熱を作ります。しかし最初の2つは病気とは思いません。最後の風邪はウイルスによって感染し発熱したと認識します。そして「どうしよう、早く病院にいかなくては(現代はこれが多い)」と思う人もいれば、「この位、消化の良いものを食べて寝ていればだいじょうぶ(昔はこれが多かった)」と言う人もいます。
実は全て身体が元に戻ろうとする反応で、その差はさまざまな情報に対する「不安」です。(風邪は通過するもので、通過期間は人によります。)
ここで重要なことは「心」も動的平衡を保とうとすることです。隠された心はなかなか自分では認識できません。それが当たり前であると思っているからです。心の深層は非常に単純で、「快い」か「不快」かです。そして心は不快がつづくと、身体に症状として現れます。いや、むしろ身体に現わして、身体的症状に意識を持って行き、不快さを閉じ込めてしまって心の動的平衡をとろうとします。
従って、身体のささやき(軽い症状)が聞こえたら、叫び、悲鳴になる前に不快なことを意識し、言葉に現わし、プラス思考で考えましょう。それには、できるだけ早く開き直るか、逃げるか、克服するかだと思います。そしてバランスの良い睡眠、微量栄養素、排泄(特に汗)を心がければ、心は身体に現わす必要がなくなり動的平衡がとれるようになってきます。
現代では動的平衡を妨げる大きな要素は、心では「不安」身体的には「冷え」です。
「何々だからできない」、「そんなこと言ったって~無理」、などと言っていては症状が悪化します。とにかく一歩踏み出しましょう。